肝臓ガン 治療(内視鏡、手術、放射線、その他、後遺症)

肝臓ガン 治療

肝臓ガンの治療法として、最も確実な治療法の一つとして「手術治療」があります。
ガンの発症している肝臓や肝臓移植が行われます。そのほか、ステージにより、「穿刺治療(せんしちりょう)」や「化学療法」(抗ガン剤治療)など、症状に合わせた治療が行われます。

手術治療法

肝臓の機能が良好で、限局しているガンに対しては、手術治療を行います。
ガンの大きさや深さ、場所などにより、ガンのある一部分を切除する方法と、ガンのある左葉、右葉のどちらかを切除する方法があります。

肝蔵切除

肝臓切除ガンを含めて肝臓の一部を切除する治療法です。
切除する肝臓は、ガンの進行度と肝障害度(肝臓に他の病気などがないか)により決まります。(腹水(ふくすい)や黄疸(おうだん)がある場合、大きく肝臓を切除すると「肝不全(かんふぜん:肝臓がうまく働かない)」を起こすことがあるので、この場合は切除しないことがあります。)

 

肝移植

肝蔵切除ができない肝細胞ガンに対して、生体肝移植が行われることがあります。
脳死肝臓移植は一般的でないため、家族などの健康な人の肝臓の一部を移植する「生体肝移植」が行われることがありますが、適合者を探す時間の問題や、体が適合するかの問題、治療が保険適用外のため多額の費用がかかってしまう金銭的な問題など、様々な問題があります。

穿刺療法(せんしりょうほう)

穿刺療法は、体の外から肝臓ガンのある部分に針を刺す治療法です。

エタノール注入療法

エタノール注入療法エタノール注入法とは、無水エタノール(99.5%以上の純エタノール:アルコールの一種)を体外から肝臓ガンに直接刺し、懐死させる治療法です。
小さな肝臓ガンに対しては、手術治療に近い成績が得られています。肝機能の悪い方にも行えます。ただし、何度もエタノールを注入しないと完全に肝臓ガンを治療できないため、入院期間が長くなることがあります。この治療の後遺症として、エタノール注入時の疼痛(とうつう)、術後2日間は発熱が生じることがあります。

ラジオ波焼灼療法(らじおはしょうしゃりょうほう)

ラジオ波焼灼療法ラジオ波焼灼療法は、体の外から肝臓ガンに直接針を刺し、ラジオ波の発生した熱でガンを壊死させる治療法です。

手術ができない場合でも、この治療を行えること、1回から2回で治療が終わることが大きな利点です。小さなガンに適応しますが、完全に焼灼ができないとガンが残り、再発しやすくなります。

肝動脈塞栓術(かんどうみゃくそくせんじゅつ)

肝動脈化学塞栓療法肝臓ガンでは、肝臓の働きが弱り手術ができないことが多く、この治療法を行うことがあります。肝臓は、肝動脈と門脈の血管から栄養や酸素を取り入れています。肝動脈塞栓術とは、ガン細胞が酸素を供給している門脈の血管から栄養や酸素をほとんど取り入れないため、大腿部(ふともも)の付け根の大腿動脈からカテーテル(細い管)を肝動脈に通し、1mm角大に細かくしたゼラチンを注入して、血流を止め、ガン細胞を死滅させる治療です。1回の治療だけでガンが死滅することは少なく、数回繰り返すのが基本となります。ガンが完治する確率はあまり高くはなく、繰り返し行うことでガンを抑制します。
この治療の副作用として、発熱、痛み、吐き気が生じることがありますが、約1週間で治まります。

肝動脈注入化学療法

肝動脈注入化学療法カテーテル(細い管)を肝動脈に挿入し、抗ガン剤を注入する方法と、カテーテルを体内に留置して、継続的に抗ガン剤を注入する方法があります。
カテーテルを体内に留置させる場合、大腿部の付け根の動脈からカテーテルを通し肝動脈まで進め、皮膚の下に埋めた「リザーバー」という器具に接続し肝動脈に注入されます。肝動脈注入化学療法は、抗ガン剤がほかの臓器に流れにくく、肝のガン細胞を殺す効果があります。抗ガン剤の量が全身投与するよりも少なく、副作用の頻度や程度も低いと言われています。

放射線療法

放射線での治療は、体の外から肝臓ガンの細胞に、高エネルギーを照射します。進行し手術治療ができない3cm以上のガンに行われることがあります。
また、骨にガンが転移した場合、痛みをやわらげる目的でも行われます。

緩和医療、緩和ケア

緩和ケアは、ガンに伴う体と心の痛みを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方で、問題に直面している患者さんおよびその家族の「QOL(人生の質、生活の質」を改善するための取り組みです。ガンの医療を単に病気に対する治療としてではなく、ガンによって生じる体の痛みやその他の身体問題、不安や恐れなどの心理的問題、仕事や経済面などの社会的問題やスピリチュアルな問題に対処していくことは大切なことです。緩和ケアをガンの進行した患者さんに対するケアと誤解しがちですが、本来患者さんの体や心のつらさを和らげることを目的としているため、どのような病状であっても、どのような時期でも受けることができるのです。緩和ケアの考え方をガン治療の早い時期から導入することで、治療の副作用やガンによる痛みなどのつらい症状を緩和しながら治療を行うことができます。
最近では、緩和ケアの広がりによって、ホスピスや緩和ケア病棟だけではなく、一般病院や在宅でも訪問医療などの形で受けられるようになってきました。