腎臓ガン 治療(内視鏡、手術、放射線、その他、後遺症)

腎臓ガン 治療法

腎臓ガンの治療では、ガンを摘出できる場合は「手術療法」が一般的です。ステージ(病期)などにより、「腹腔鏡」での治療を行うこともあります。手術ができない場合や、大きなガンを摘出する手術前に行う「動脈塞栓術」、ガン細胞といっしょにリンパ節の郭清(かくせい)や他の臓器の切除を行う手術、また、「化学療法」(抗ガン剤療法)など、症状に合わせた治療が行われます。

手術療法

ステージにかかわらず、摘出できる場合は腎臓の全摘出、腎臓を部分的に摘出する手術が行われます。また、腹部を大きく切らずに、腹部に開けた穴から内視鏡を挿入し手術する「腹腔鏡下手術」が行われることがあります。腎臓のみを摘出する手術には、ほとんど合併症はありません。

腎摘除術(根治的腎全摘出術)

ガンのある腎臓と、その周囲の脂肪組織、副腎ごと摘出する手術です。腎臓を全摘出することで、ガン細胞の取り残しを防ぎ再発を予防します。リンパ節へ転移がある場合、リンパ節も一緒に切除します。腎臓が1つになることで、特に高血圧、糖尿病のある人や高齢者は、腎機能低下を起こす可能性もあります。

腎部分切除術

腎臓にあるガンが4cm以下の場合に行われる手術です。(発生部位により、部分切除できない場合もあります。)腎臓のガンだけを摘出し、正常な部分は残す手術です。全摘出より難しい手術で、術後約2週間は出血や尿が漏れることがあります。

除術
 

腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術

腹腔鏡下手術腹腔鏡という、内視鏡で行う手術です。腹部に小さな穴を開け、穴の一つに腹腔鏡、ほかの穴に手術の器具(マジックハンドのようなもの)をいれ、モニター(画像)を見ながら行う手術です。
出血も少なく、回復も早いため、体の負担は少ないのですが、熟練した技術と経験が求められるため、残念ながら手術が行える施設は多くありません。腹腔鏡手術は開発されて間もないこともあり、専門医が限られています。腹腔鏡手術を希望する場合、専門医のいる病院を受診し、説明を十分に受けて下さい。

動脈塞栓術(どうみゃくそくせんじゅつ)

手術を受ける体力がない場合や、たくさんの転移がある場合、また、大きなガンを摘出する前に行うことがあります。腎臓へ流入する主要な血管内に、カテーテル(細い管)で、細かくした特殊なゼラチンスポンジを注入し、腎臓への血流を遮断。
酸素やガンの成長に必要な物質がガン細胞へと供給されることを防ぎます。副作用として、一時的な発熱、痛み、腸閉塞や全身衰弱などがみられることがあります。

免疫療法(めんえきりょうほう)

ガンが多発している場合に行われます。
肺などに転移が見られた場合は「インターフェロン-α」や「インターロイキン2」という薬を使い、その状況に合った方法を選択し、治療を行います。

放射線療法

放射線療法は、放射線をガン患部に照射して、ガン細胞の増殖を抑えることを目的とした治療法ですが、腎臓ガンに対しての放射線療法は、あまり有効ではありません。
腎臓ガンが転移した場合、転移した部位での治療には有効な場合があります。

緩和医療(緩和ケア)

緩和ケアは、ガンに伴う体と心の痛みを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方で、問題に直面している患者およびその家族の、QOL(人生の質、生活の質)を改善するための取り組みです。ガンの医療を単に病気に対する治療としてではなく、ガンによって生じる体の痛みやその他の身体的問題、不安や恐れなどの心理的問題、仕事や経済面などの社会的問題やスピリチュアルな問題に対処していくことは大切なことです。緩和ケアを、ガンの進行した患者さんに対するケアと誤解しがちですが、本来、患者さんの体や心のつらさを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方ですから、どのような病状であっても、どのような時期でも受けることができるのです。緩和ケアの考え方をガン治療の早い時期から導入することで、治療の副作用やガンによる痛みなどのつらい症状を緩和しながら治療を行うことができます。
最近では、緩和ケアの広がりによって、ホスピスや緩和ケア病棟だけではなく、一般病院や在宅でも訪問医療などの形で受けられるようになってきました。