子宮頸ガン 治療(内視鏡、手術、放射線、その他、後遺症)

子宮頸ガン 治療法

子宮頸ガンの治療では、ステージやガンの切除範囲、場所などのもよりますが、「手術治療」か「放射線療法」が選択、または併用されるのが標準的な治療となっています。
「化学療法」(抗ガン剤治療)は、進行したガンが手術や放射線で十分な効果が期待できない場合に、放射線と併用した治療を行ったり、放射線療法があまり効果のない場合、抗ガン剤を単体で使用したりします。
また、ガンによる痛み(疼痛:とうつう)などの症状を軽減させるために放射線療法を行うことがあります。

手術治療

子宮頸ガンに対し行う手術治療は、もっとも一般的な治療法です。早期ガンの場合には、傷もほとんど残らず、若い人、今後出産を希望する人などには、卵巣なども温存できる手術を行うことも可能になっています。ただし、今後出産を希望しない人、40歳以上の人には、子宮を全摘する手術を行います。ガンの進行により、子宮、卵巣・卵管や転移したリンパ節、膣、結腸、直腸、膀胱なども一緒に切除することがあります。

手術治療の後遺症

更年期のような症状や性交障害、排便・排尿障害、むくみなどがみられる場合があります。

凍結療法

ガン細胞を二酸化炭素や窒素(ちっそ)などの液体冷却剤で凍結させ、ガンを破壊する治療法です。

レーザー治療

レーザー光線でガン細胞を焼き殺す治療法です。出血もなく、傷跡も残りませんが、表面的なガン細胞しか処理できないため、見えないガン細胞には適応しません。

高周波治療

高周波は、電磁波(でんじは)を照射してガン細胞を殺す治療法です。

円錐切除術

円錐切除術ガンのある子宮の頸部組織を円錐状に切除します。早期の場合は、組織をとり顕微鏡で調べる検査と、治療、どちらも兼ねて行います。

 

単純子宮全摘出術

単純子宮全摘出術ガンのある子宮をとる手術です。開腹手術する場合と、開腹せずに膣側から切り取る
場合があります。卵巣や卵管を一緒に切除することもあり、両側付属器切除術とよばれます。

 

広汎性(こうはんせい)子宮全摘出術

広汎性子宮全摘出術ガンが大きい場合などに、子宮と膣の一部をふくめ、骨盤壁近くから広い範囲で切除します。子宮頸ガンに関連する周辺のリンパ節も一緒に切除します。ほかにも、ガンが女性器以外に広がっていると、子宮・膣と一緒に下部結腸、直腸、膀胱などもとらなくてはならなくなり、術後に人工的に尿路や人工肛門を再建する手術(骨盤内臓全摘術)が必要となります。

 

広汎性子宮全摘出術による後遺症

この手術治療の後遺症は、排尿障害や排便障害があります。特に排尿障害は、尿が膀胱へ溜まったかどうかの判断がつきにくいといった比較的軽い症状から、自分でカテーテル(細い管)を入れて排尿しなければならない症状まで程度はさまざまですが、心身ともに大きな負担となる症状が起こることがあります。ほかにも、腸の癒着(ゆちゃく)から起こる「腸閉塞(ちょうへいそく)」や、膣が短くなることで起こる性交痛や出血、リンパ節切除から起こるリンパ浮腫(ふしゅ:むくみ)などの後遺症もあります。

放射線療法

高エネルギーの放射線を使って、ガン細胞を死滅、増殖を抑える治療法です。
体外から照射する「体外照射」と、膣腔内に自然に放射線を出す物質を直接挿入し、照射する「腔内照射」があります。Ⅲ期からⅣ期の手術治療ができないガンに対して、症状を軽減するために放射線療法を行うことがあります。放射線療法と化学療法を併用することで、治療成績が良くなるということが言われています。

放射線療法による後遺症

腸閉塞(ちょうへいそく:腸があちこちにくっつく)や、放射線性膀胱炎(血尿)、放射線性直腸炎(血便)などが起こる場合があります。

放射線療法による副作用

照射腺による照射は、ガン細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。
照射部位に皮膚炎(ひふえん)や粘膜炎、倦怠感(けんたいかん)や吐き気、食欲低下、白血球の減少などがみられる場合があります。

放射線療法と卵巣について

子宮頸ガンでは、卵巣を残せる可能性が高いのですが、放射線が卵巣に当たると卵巣の機能がなくなってしまいます。しかし、卵巣は子宮から切り離し、静脈を付けたまま移動することができます。骨盤の外側に固定し、放射線の照射範囲から外せば、卵巣機能を保ったままで放射線療法を受けることが可能になります。

緩和医療、緩和ケア

緩和ケアは、ガンに伴う体と心の痛みを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方で、問題に直面している患者さんおよびその家族の「QOL(人生の質、生活の質」を改善するための取り組みです。
ガンの医療を単に病気に対する治療としてではなく、ガンによって生じる体の痛みやその他の身体問題、不安や恐れなどの心理的問題、仕事や経済面などの社会的問題やスピリチュアルな問題に対処していくことは大切なことです。
緩和ケアをガンの進行した患者さんに対するケアと誤解しがちですが、本来患者さんの体や心のつらさを和らげることを目的としているため、どのような病状であっても、どのような時期でも受けることができるのです。緩和ケアの考え方をガン治療の早い時期から導入することで、治療の副作用やガンによる痛みなどのつらい症状を緩和しながら治療を行うことができます。最近では、緩和ケアの広がりによって、ホスピスや緩和ケア病棟だけではなく、一般病院や在宅でも訪問医療などの形で受けられるようになってきました。