27.急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定

(きゅうせいりんぱせいはっけつびょうさいぼうのめんえきいでんしさいこうせいをりようしたていりょうてきPCRほうによるこつずいびしょうざんぞんびょうへん(MRD)りょうのそくてい)

概要

骨髄微小残存病変(MRD)は、白血病細胞に特異的な遺伝子異常をPCR法により検出することができます。
急性リンパ性白血病(ALL)又は非ホジキンリンパ腫(NHL)であって初発時に骨髄浸潤(こつずいしんじゅん)を認めるリンパ芽急性リンパ腫若しくはバーキットリンパ腫の患者さんの骨髄MRD量を測定し、この結果に基づいて治療を行っていきます。化学療法を開始して5週、12週のMRD量測定結果でさらに治療を変更し、化学療法の強化や造血細胞移植の適応を判断したり、MRD早期消失例に対しては学校や社会への早期復帰や二次ガンなどの晩期合併症の減少などが期待できます。

治療の効果が期待できるガン、または検査の対象となるガン

急性リンパ性白血病(ALL)又は非ホジキンリンパ腫(NHL)

治療または検査ができる条件

急性リンパ性白血病(ALL)又は非ホジキンリンパ腫(NHL)であって初発時に骨髄浸潤を認めるリンパ芽急性リンパ腫若しくはバーキットリンパ腫

治療または検査の方法

初発時に白血病細胞の免疫グロブリンまたはT細胞受容体遺伝子の再構成をPCRで検出し、症例特異的プライマーを作成します。次にALLの化学療法開始5週(ポイント1、TP1)および12週(ポイント2、TP2)の骨髄MRD量を、初発時に作成したプライマーを用いてRQ-PCRにて定量的に測定し、MRD量が少ない低リスク群、MRDが多い高リスク群、それ以外の中間リスク群の3群に分類します。具体的には、施設で採取したTP1とTP2の骨髄のMRD量を治療開始後12~14週の間に測定し、結果をALL治療プロトコールで定められたリスク別層別化治療を実施します。

治療または検査による副作用・合併症

骨髄穿刺(こつずいせんし)を行うため、穿刺部位周辺の出血や感染などがあげられます。

急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定を行っている医療機関

中部

名称 愛知医科大学病院
URL http://www.aichi-med-u.ac.jp/hospital/
住所 愛知県愛知郡長久手町大字岩作字雁又21
電話 0561-62-3311(代表)
費用 約8万円
※ 急性リンパ性白血病(ALL)は、一般に「血液のがん」といわれる白血病の1つです。白血球の一種であるリンパ球が幼若な段階で悪性化し、主に骨髄で異常に増加し、急速に進行する疾患です。
※ 非ホジキンリンパ腫 悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する腫瘍で、大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられます。非ホジキンリンパ腫はリンパ腫の顔つき、すなわち顕微鏡でわかる形態学的特徴(病理学的分類といいます)、細胞系質的特徴(“B細胞性、T細胞性、NK細胞性”)、そして染色体・遺伝子情報などをもとに分類されます。それが腫瘍細胞の悪性度とその後の臨床経過、予後を推定し、治療法を選択するために大変重要になります。
さらに、非ホジキンリンパ腫は、発症してからの病気の進行速度によって分けることができます。進行のスピードによる分類は、「診断された病気を、治療しないで放置した場合に推測される予後」と言い換えることもできます。進行のスピードが速いタイプを高悪性度(週単位で進行)、ゆっくりなものを低悪性度(年単位デ進行)と分類し、リンパ芽球性リンパ腫やバーキットリンパ腫は膠悪性度に分類されます。
※ リンパ芽球性リンパ腫(LBL)は、非ホジキンリンパ腫の中でも悪性度の高いリンパ腫に分類される疾患群です。「B細胞性(B-LBL)」と「T細胞性(T-LBL)」に分けられ、両者では異なった病状を呈します。B細胞性の80%以上がT細胞性であり、B細胞性は5~20%と比較的少ないです。
一般的なリンパ腫と比べ、より未熟な分化段階のリンパ球ががん化したものです。がん細胞の本質は、急性リンパ性白血病(ALL)と同じであると考えられます。LBLとALLは、骨髄に浸潤(しんじゅん)しているがん細胞の割合で区別しており、浸潤の割合が20%未満の場合はLBL、20%を超える場合にはALLという診断になります。
LBLの中でもB-LBLは骨髄に浸潤しやすく、ALLと一連の疾患であると考えられる一方、骨髄浸潤のないB-LBLが経過中にALLに移行することは、比較的少ないとされています。
※ バーキットリンパ腫は、最も増殖速度の速い病理組織型(高悪性度リンパ腫)に分類される悪性リンパ腫で、リンパ球の中のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫です。骨髄中に多数のがん細胞が存在する場合には、急性リンパ性白血病(ALL)として診断されることもあります。